2021年度

地域未来創造研究会(World City) 2021:

衰退局面における持続可能性の高い都市の在り方を考える

オーガナイザー: 清水千弘(東京大学空間情報科学研究センター)・森政貴(EHL Hospitality Business & Hotel Management School)

主催: 東京大学空間情報科学研究センター(不動産情報科学研究部門),麗澤大学都市不動産科学研究センター
共催: 地域未来創造大学校(次世代まちづくりスクール)

趣旨:

日本のように人口が減少している国でも成長する都市がある半面,人口が増加している国でも衰退する都市も多い.代表的な衰退事例としては,かつての米国のデトロイトやドイツのルール工業地帯に位置する都市などであり,それらは産業構造の大きな変化の中で,地域全体が衰退するという問題に直面した.

わが国では,産業構造の変化のような大規模な外生的なショックが発生していない都市でも,人口減少が止まらない地域が多く出現してきている.人口減少は,そこで再生産される出生者数が低下すること,人口流出が人口流入よりも大きくなってしまうことで発生する.人口が減少するということは,人口規模に基づき設計されていた様々な機能は,低下または停止されてしまうことになる.そして,公共サービス,商業サービスなどの低下は,街としての機能・魅力の低下を通じて,一層に人口の流出を生むという悪循環へとつながる. 

もちろん,人口減少という大きなダイナミクスを踏まえて,街そのものを最適化していくことは重要である.補助金などの持続可能性の低い社会制度を使って延命させても,最終的には,そのツケは債務の増加を通じて国民全体に及び,長期的かつ一国全体で見たときの社会厚生は大きく低下させてしまう.経済学の枠組みで整理すれば,短期的にも長期的にも,非効率な状態にある地方都市は整理されるべきであり,それを延命させるだけの強い根拠を見つけることは困難であろう.つまり,そのような人口減少にさらされている街の延命装置をいち早く外して,消滅させてしまうという選択肢が最適解になるかもしれない.

しかし,超長期で考えたときに,地方を消滅させるということは,綿々と形成されてきた文化や無形資産をも消滅させてしまうこととなり,それは二度と取り戻すことができないために,簡単に答えを見つけられるものではない.あくまでも,直感的な私論であるが,このような選択をするだけの科学的な根拠もない中では,できる限り市場メカニズムを通じた最適規模への誘導が,何よりも優先されるべきであると考える.つまり,地方創生をできるだけ効率的に進めるべきというのが,現段階での多くの方に賛同が得られる解答ではないであろうか.

地方創生への取り組みが積極されて一定程度の時間とエネルギーが注がれてきたが,その中で活力を取り戻してきた地域もあるが,多くの地域で悪化の一途をたどっていることを考えると,長期的な視野の下で,日本全体としてどのような選択をしていくのかという社会デザインをしたうえで,処方箋を探していかなければならない.

そこで,本研究会では,国内外の広い意味での街づくりの先進事例と研究動向を広く学ぶことを目的とする.

スケジュール:

第01回 (08/31) 17:00-18:30

 講師: 谷下雅義(中央大学理工学部都市環境学科)
「オランダのまちをかたちづくる水と自転車」


第02回 (10/26) 17:00-18:30

 講師: 樋野 公宏(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)

第03回 (11/09) 17:00-18:30

講師: 吉村 有司(東京大学先端科学技術研究センター)

第04回 (12/14) 17:00-18:30

講師: 村山 顕人(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)

第05回 (02/17) 17:00-18:30

講師: 村上 迅 (Urban Studies and Policy in the Humanities, Arts and Social Sciences (HASS) cluster at the Singapore University of Technology and Design (SUTD))

研究会メンバー

オーガナイザー: 
清水千弘・
森政貴
  
氏名所属
浅見泰司東京大学
清水千弘日本大学/東京大学/麗澤大学
森政貴EHL Hospitality Business & Hotel Management School
谷下 雅義中央大学
西芝 雅美ポートランド州立大学
足立 基浩和歌山大学
樋野 公宏東京大学/シドニー大学
吉村 有司東京大学/MIT
村山 顕人東京大学
村上 迅Singapore University of Technology and Design
武藤 祐郎東京大学/国土交通省
長谷川 貴陽史東京都立大学
保田 隆明神戸大学
島原 万丈株式会社LIFULL
長嶋 修株式会社さくら事務所
内山 博文u.company株式会社
林 厚見株式会社スピーク
岡崎 卓也全宅連不動産総合研究所
矢部 智仁麗澤大学都市不動産科学研究センター
青木 純株式会社nest
福田 和則株式会社エンジョイワークス
笠松 美香リクルートSuumo Researchセンター

2020年度

東京大学空間情報科学研究センター不動産情報科学研究部門では、産官学連携で次世代不動産研究会を開催してまいりました。本年度におきましても、麗澤大学都市不動産科学研究センターと合同で、地域未来創造研究会と発展させ、開催してまいります。

研究会メンバー

オーガナイザー
浅見泰司・清水千弘
   
氏名 所属
浅見泰司 東京大学
清水千弘 東京大学/日本大学/麗澤大学
谷下 雅義 中央大学
西芝 雅美 ポートランド州立大学
足立 基浩 和歌山大学
長谷川 貴陽史 東京都立大学
保田 隆明 神戸大学
田中 俊弘 麗澤大学
山下 美樹 麗澤大学
大越 利之 麗澤大学
馬場 弘樹 東京大学
鈴木 雅智 東京大学
島原 万丈 株式会社LIFULL
長嶋 修 株式会社さくら事務所
内山 博文 u.company株式会社
林 厚見 株式会社スピーク
岡崎 卓也 全宅連不動産総合研究所
矢部 智仁 ハイアス総研
青木 純 株式会社nest
福田 和則 株式会社エンジョイワークス

地域未来創造研究会・特別セミナー

東京大学空間情報科学研究センター

麗澤大学都市・不動産研究センター・地域未来創造研究会

ポートランド州立大学ハットフィールド行政大学院パブリックサービス研究・実践センター

東京大学空間情報科学研究センター不動産情報科学研究部門では、産官学連携で次世代不動産研究会を開催してまいりました。2020年度におきましても、麗澤大学都市不動産科学研究センターと ポートランド州立大学ハットフィールド行政大学院パブリックサービス研究・実践センター と合同で、「地域未来創造研究会」として発展させ、開催しています。

 この度、地域未来創造研究会では、麗澤大学都市不動産科学研究センターの客員教授による特別セミナーを開催することといたしました。このセミナーを通じて、空き家バンクや遊休不動産の利活用から、地域おこし協力隊、関係人口からの移住など、地域課題の解決と地域活性化につながる施策を、ひとつの視点ではなく総合的に捉えていくことを目的とします。

自治体職員および政策関係者、金融機関、不動産・建設などの専門家を対象とした公開セミナーとなります。

オーガナイザー: 清水千弘・浅見泰司・西芝雅美・内田要

・第一回

 日時:2020年11月7日(土曜日)10時〜12時

 場所:オンライン開催

 テーマ:「地域未来創造に必要な人材とその育成」

講 演:           

浅見泰司(東京大学大学院工学系研究科教授)

パネル:      

内田要 (麗澤大学・都市不動産研究センター客員教授、元内閣官房地域活性化統合事務局長)

(モデレータ) 清水千弘(東京大学空間情報科学研究センター特任教授・麗澤大学都市・不動産研究センター長・日本大学教授)

・第二回

 日時:2020年11月14日(土曜日)10時〜12時

 場所:オンライン開催

 テーマ:「 地域未来創造における不動産・建設専門家の役割: 空き家バンクと空き家の利活用」

 講 演:       

地域未来創造大学校

パネル:          

中田裕人(国土交通省会計課長、麗澤大学都市・不動産研究センター客員教授)

(モデレータ) 清水千弘(東京大学空間情報科学研究センター特任教授・麗澤大学都市・不動産研究センター長・日本大学教授)

・第三回

日時:2020年11月21日(土曜日)10時〜12時

 場所:オンライン開催

 テーマ:「地域未来創造における公務員の役割・住民の役割」

講 演:        

西芝雅美(ポートランド州立大学ハットフィールド行政大学院パブリックサービス研究・実践センター副センター長)

パネル:          

黒瀬敏文(総務省大臣官房審議官、麗澤大学都市・不動産研究センター客員教授)

(モデレータ) 清水千弘(東京大学空間情報科学研究センター特任教授・麗澤大学都市・不動産研究センター長・日本大学教授) 

【申込先】

無料(先着 200名まで)

下記からお申し込みください。

第一回研究会(11/7)

https://forms.gle/Kbpqaoxfk8zkmetK7

第二回研究会(11/14)

第三回研究会(11/21)

https://forms.gle/WxD5NpkYQuecLn6U9

運営  地域未来創造大学校・次世代まちづくりスクール

※本セミナーは、東京大学空間情報科学研究センターと麗澤大学都市不動産研究センターおよび「地域未来創造大学校・次世代まちづくりスクール」と共同で運営を行っています。地域未来創造大学校は、まちづくりの観点から、地域社会における「住まい」と「人」の間で発生する社会課題に対し、不動産と周辺分野の様々な知識とコミュニティや人のネットワークを活かし、実践的解決ができる高度専門人材の育成を目指しており、実践の場で活躍されている多くの実務家を迎えて、すでに多くの学生が参加しています。産官学連携で、高度地域未来創造人材の育成に取り組んでいます。

地域未来創造大学校・次世代まちづくりスクール

https://hello-renovation.jp/machi-school

※国土交通省「令和2年度空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」に採択

【第003回】 グローバル地域未来創造研究会 [特別セミナー]

日時 2020年11月21日 (土) 10:00-12:00     
場所 オンライン (Webinar)
発表者 西芝雅美(ポートランド州立大学ハットフィールド行政大学院パブリックサービス研究・実践センター副センター長)
報告名 「地域未来創造における公務員の役割・住民の役割」

【第002回】 グローバル地域未来創造研究会 [特別セミナー]

日時 2020年11月14日 (土) 10:00-12:00
場所 オンライン (Webinar)
発表者 清水千弘(東京大学空間情報科学研究センター特任教授/日本大学教授)
報告名 「 地域未来創造における不動産・建設専門家の役割: 空き家バンクと空き家の利活用 」

【第001回】 グローバル地域未来創造研究会 [特別セミナー]

日時 2020年11月7日 (土) 10:00-12:00
場所 オンライン (Webinar)
発表者 浅見泰司(東京大学大学院工学系研究科教授)
報告名 「地域未来創造に必要な人材とその育成」

【第003回】 グローバル地域未来創造研究会

日時 2020年11月4日 (土) 16:30-18:30
場所 オンライン (Webinar)
発表者 清水千弘・吉原 勝己・島原万丈
報告者 「地域「九州DIYリノベWEEKEND2020 DIYリノベトーク~」

【第002回】 グローバル地域未来創造研究会

日時 2020年10月7日 (土) 11:00-13:00
場所 オンライン (Webinar)
発表者 保田隆明
報告名 地方創生とクラウドファンディング

【第001回】 グローバル地域未来創造研究会

日時 2020年9月23日 (土) 10:00-12:00
場所 オンライン (Webinar)
発表者 清水千弘
報告名 What is the Economic Value of Green?